葦舟
雪幻ティルナノーグ
歌手:Yonder Voice
专辑:《雪幻ティルナノーグ》


Compose&Arrange. 風霊狼
Lyric. 蒼羅杏
Vocal. 瑶山百霊

幾許も残らぬ
惜春の雫を
君は掬って笑う

有明の薄墨の水面に
星を浮かべて
静寂 響く櫓羽の音

朦朧と翳む時を越え
千代に八千代に
重ね染める恋衣

この舟に乗って
失うものも抱きしめようか
現の命も
須臾に笑(さ)く盛夏の花
同じ岸辺に辿り着けぬ
二人の航路は
脆弱な不朽となる

愛した瞳から
零れ落つるそれは
深縹の雨露

いつか色を亡くす季節を
歌う理由を
死んだ蝉は語らない

残酷な朝靄の中で
囁き合って
二人 何も沈めずに

今舟を出そう
君が見守る水際を背に
天地のこの海原を
彷徨いながらも
葬れた 恋の名前を
拾い集めるのだろう
そして嗚呼 涙を流す

今ぞ永訣(わかれ)の刻
最後に見つめ合う
——美しい世界(ゆめ)だった

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