歌手:
梶迫小道具店
专辑:
《STREET3115》メリ:「この世には、目には見えない不思議な力があるのです......」
蓮子:「また古いオカルト?ムービー見たの?」
メリ:「残念、オカルト?コミックよ。
でも蓮子、目に見えない力は確かにあるのよ。
なんだかわかる?」
蓮子:「えっと......サイキック?フォース?毒電波?」
メリ:「当たらずとも遠からずね。
毒はつかないけど、例えば電磁波。
赤外線に紫外線。重力なんかもそうね」
蓮子:「ああ......そういうことね」
メリ:「弱い力、強い力、重力、電磁力。摩擦にコリオリ、原子間力。
私たちの周囲に働いている力は、人間の目には見えないものの方がずっと多いのよ。
それを『不思議』と取るかは、人それぞれだけれど......」
蓮子:「そういった不可視の力を見る瞳があったら、
世界はどう目えるんでしょうね」
メリ:「その人にしかわからないでしょうね。
もしかしたら、それこそ世界を形作っているのが粒なのか波なのかどうかも、
目で見えてしまうのかもしれないわ」
蓮子:「高額な電子顕微鏡要らずだわ、羨ましい」
メリ:「即物的なお返事ありがとう。
でも、やっぱり私は思うのよ」
蓮子:「何を?」
メリ:「世界の全てを、たったひとつの答えで語り尽くせると蓮子は言うけれど......
そこには不思議や、隠された秘密なんて、何もないんじゃないかしら」
蓮子:「何も、ない......」
メリ:「ええ。降り来る雪を貴方は綺麗だと言うけれど、
その誰かの瞳には空気中のチリを中心に、
氷が寄り集まったものにしか見えないのかもしれない。
夕焼けを美しいと言う傍で、
まったく違うおぞましい色を見ているのかもしれない。
世界の在り方を全て理解してしまうというのは、
不思議なことや、秘密や、心や夢すらも、
何もかも理屈で分解してしまって......
物理が全てを解き明かしたそこには、
何も残っていないのかもしれないわ」
蓮子:「それを貴方は、哀しいことだと思う?」
メリ:「わからないわ......」
蓮子:「でも、それは違うわメリー」
メリ:「え?」
蓮子:「目に見えるものでも、見えないものでもない。
どこにもないものが、それでもどこかにあるのだと、
私たちは信じているのよ」