歌手:
VOCALOID
专辑:
《天響ノ和樂2》編曲:デスおはぎ
鬼さんこちら 手の鳴るほうへ 彼岸の華が咲く頃に
夕焼け小焼け 茜に染まる 赤とんぼと秘密の場所
たったひとつ 秘め事隠し 鬼子は恋に落ちたのです
田圃道、背比べ 追いついた日のことも
夕暮れの指切りも 覚えているのでしょう
「もういいかい」「まあだだよ」
ふたり、鬼ごっこ 逃げるのはいつも君で
「もう一回、もう一回」
我儘言うの 日が暮れる刻まで
三度目の秋、鬼子は気付く 醜くなる胸の内と
物ノ怪だと知りつつも尚、知らぬふりしていた彼に
忍ぶれど忍ぶれど 色に出ず鬼の性
逃れ得ぬ運命から 守ろうとしたのでしょう
「もういいかい」「まあだだよ」
目隠しをした 額に花の冠
「もういいかい」「もういいよ」
鬼子の目にも あふるる涙の粒
五度目の秋―――
彼は村人達から鬼子の正体を隠していたことを咎められました。
鬼子を仕留めるまで村を追い出されてしまったのです。
彼は村を捨て、二人で暮らそうと鬼子を迎えに行きました。
しかし齢を取るごとに身も心も鬼に近づいた鬼子はこう思うのです。
「ああ、銃の火薬の匂いがする
私を殺しに来たんだわ」
指切拳万 針 千 本じゃ済まないわ
恋 焦がれるほどお腹が空くの
「もういいかい」「もういいかい」
震える肩を 捕まえて問い掛けるの
「もう言いたい事はないかい?」
こくりと頷く 美味しそうな 横顔
もう一回、口吻して お別れしましょう
赫い笑顔焼き付けて
「もういいかい」「もういいよ」
いつか交わした声が響いていた
食べても食べても彼女の空腹が満たされることはありません。
遺った彼の手を握り、彼女は思うのです。
「彼が鬼の子に生まれ変わりますように」
身も心も鬼になった彼女は村へ歩いて行きました。
鬼さんこちら 手の鳴るほうへ 彼岸の華が散る頃に