或る殉教者の物語
前衛歌劇団 イデア座 ~人殺しヴィレッジ~
歌手:六弦アリス
专辑:《前衛歌劇団 イデア座 ~人殺しヴィレッジ~》



彼らに心がなかった 命はあれど、心がなかった
しかし、それを幸か不幸かと問うのは、ナンセンスだ

そこには確かに強い理念があった
同じ価値観で統一された世界では、争いは起きないだろう
それは彼の強い願いだった

彼は問う、文明は何故に短命か
彼は云う、個性こそが罪であり、罰なのだ


“人の善悪は所詮、人が決めるものだ
それならば人は誰もが皆、神ではないか”

そこには確かに強い願いがあった
願いは人の意思であるがゆえに、彼らはそれを持たなかった
彼らはアンドロイドなのだから

人は問う、争いは何故に起こり得る
彼は云う、個性こそが数多の悲劇を生む
彼は問う、文明は何故に短命か
彼は云う、個性こそが罪であり、罰なのだ

その墓標には言葉が刻まれていた
「人は個性によって滅ぼされる」

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