歌手:
黒夜葬
专辑:
《鴉/IX》都合良く繋ぎ合わせた季節のなかで微睡み続け
次第に深く沈んでいく
それはとても心地が良く
二度と目覚めなくともいいとすら思えた
覚醒を厭う 子守唄が聞こえる
深い、 意識の奥
おやすみなさい――
廻り始めた 時計の上で
踊り疲れて 瞼を閉じた
いつも 独り 唄っていた
ずっと ずっと 凍えたまま
嗚呼 深く 深く 沈んだ先
私を見つけた
......
歪み始めた 景色の中で
輪郭の無い 声が呼んでる
遠く遠く 魔法の国へ
きっと ずっと 戻れないと
嗚呼 探していた 鍵を取って
小さく笑った
名も無き夢と 重ね合わせた記憶に
囚われて 私は 孵らぬ
まだ 捨てきれぬ 思いに揺れている
求めていた 降り注ぐ 光の雨に濡れながら
......
流れ 流れていく 惑いの果て いずれ
忘れゆく 季節を 知らぬまま
嗚呼 今も
......
後背は暗き 陰は震え 声を嗄らし 啼いている
在りし日の残映よ 私はもうそこにはいない
彷徨い続け 蒼い森の奥
荊の鳥が啼く
光と闇が 絡み伸びていく
溢れて 空を仰ぐ
「現実という認識は
己の精神が囚われている空間に従属する感覚の一種だ
それらを現実と知覚し 現実たらしめているものは脳髄であり
ならば 脳髄の中にこそ現実は存在するのではなかろうか
然るに 精神の解放をもって 現実の在処もまた移りゆく」
「現実は夢となり 夢は現実となる
代償は決して安くは無いが これは彼女が望んだものだ
究極の自由を手にした彼女にとっと
物質的な存在はとうにその価値を失っている
故に喪失ではなく 単に不要なものを棄てただけに過ぎない
真の超現実主義者と呼べるものなのかもしれない」
さて――君は今、 何色の妄想を見ているのだろう?
......
終わりも始まりもない
永遠とも異なる 時の停滞に身を委ねる
色無き夢よ
色褪せた記憶よ
ささめく死者よ
ざわめく闇よ
廻る 廻る 紅い月よ
祈り 瞳を隠して
大人にならないまま
静かに 漂い続け
嗚呼 廻る 紅い月よ
錆び付く 心を隠して
眠れぬ夜を越えた
華麗な 魔法は解けない
......
覚醒 (awake)
......
表裏ではなく 内外でもない
自我より生じた 認識の狭間へと落ちていた
もはや眠りという行為ではなく 夢という現象の一部だ
君よ 望みは叶ったか――
名も無き夢と 重ね合わせた記憶に
囚われて 私は 孵らぬ
もう 捨て去った 想いは儚く
求めていた 降り注ぐ 光の雨は止まない
夢は 白く霞んだ追憶
閉ざされた 扉は開かぬ
嗚呼 甘きに落ちて 躯は朽ちて
痛みと 幸せな嘘
二度とは醒めぬ 空虚の中
......
それは果たして
本当に幸せなことだったのだろうか
今はもう 知る術はない