歌手:
山本希望
专辑:
《千恋*万花 キャラクターソング Vol.3 「キズナヒトツ」》幽世(かくりよ)と现世(うつしよ)の交わる町-「穗織」
これは世界の均衡を保つため暗躍する
神剣「叢雨丸」の知られざる活動の記録である
確かに 「叢雨丸」は出てくるが…
まぁよいか
これから始まる物語は
ゲーム本編とは関係のない日常であること 心しておくように
ゲーム本編がどのような雰囲気かは 自本の目と耳で 確かめてくれ
千恋万花
「吾輩の一日」
今日もいい天気でありますねぇ 芳乃
暖かくなってきた
と言うよりも ちょっと暑いぐらいですね
はい そうですね
もう少しすれば夏ですね
ところで 桜はいつ咲くのですか?
桜…ですか?
はい お花見です
にっぽんの桜 本当に楽しみです
写真でみたことはあっても 実物を見るのは初めてです
いいものですよ
風情があって
侘び寂びでありますね
今から楽しみです
茉子も一緒にいきましょう
ですが お花見の季節は もう終わってしまいましたよ
何ですと!?
そ…そんな…
ショックです
何の話じゃ?
お花見です
楽しみにしていたのに できませんでした
もう時期は過ぎてしまったなぁ
見頃は遅くとも 四月の頭の頃じゃなぁ
残念であります
ムラサメちゃんは お花見をしたことはありますか?
勿論だ
といっても 我が輩がこの体になってからのことじゃから
宴会などはしたことがないんがな
何せ 食べることも飲むこともできんからなぁ
食べる必要がないのではなく できないのですか?
ムラサメ様は魂のような存在ですから
基本的にものに触れることができないんです
飲食もできぬのだ
花見もな
月明かりの元 一人で静かに夜桜を見るのが 近年の我が輩の花見だ
樹齢数百年ともなれば 見応えがあってのぅ
それはそれで とっても風情がありますね
とはいえ 我が輩が見ておる桜は 山の奥の奥にある
お主らは… もう少し 行きやすい場所で花見をしたほうがよい
桜はどこに咲いていますか?
町の中には 桜の名所はないんですよね
それは何とも意外なぁ
にっぽんのといえば どこででも桜が見られると思っていたのですが
見られることは見られますが…
せっかくの花見となれば 桜に囲まれるような場所のほうがいいと思います
桜に囲まれる…
それは確かに素晴らしいですね
少し歩きますが
いい場所を知っています
来年桜が咲いた時には 一緒にお花見をしましょう
来年までお预けですか
残念です
ですが 楽しみにしております
おっはなみぃ おっはなみぃ
ムラサメちゃんも行きましょう
みんな一緒が楽しいですから
そうじゃな
たまには みんなで行くというのも悪くはないな
はい
とはいえ 我が輩のことは気にせずに宴会を楽しんでよいぞ
やはり花見といえば 飲み食いをしたほうが楽しいであろうからな
お気遣い ありがとうございます
では お言葉に甘え て何か作らせていただくとして
桜を見ながら桜餅を食べるのもいいかもしれませんねぇ
サクラモチ?
桜で作ったお餅ですか?
あのう サイレトキラーと呼ばれている 恐怖のお餅?
多分 レナさんが想像しているものとは違うと思います
餅米で餡子を包んで 桜の葉で巻いた和菓子です
そのようなものがあるのですか?
食べてみますか?
是非に
分かりました
では お花見の時に作りますね
桜餅は確か二種類存在するのではなかったか?
そうなの?
恐らく 長命寺と道明寺ですね
それはどう違うのですか?
生地で餡子を包むのは基本的に変わりませんよ
ですが 生地の材料も違いますし
まず 見た目が大きく違いますし
長命寺は伸ばした皮を円筒状にして餡子を挟み
更に その皮ごと桜の葉で包みます
道明寺はお米みたいな状態の生地で
完全に餡子を包んで 桜の葉で包みます
私が知っているのは 道明寺のほうね
穗織の地では 基本的に道明寺の形じゃな
道明寺というと 何だかイケメンのお金持ちを思い出すのですが
結構古いマンガを知っているんですね レナさん
にっぽん語を覚える資料として役に立ちました 漫画は
そういえば 漫画でもそのようなものを食べていたような気がしますね
確か 葉っぱの付いたお米のように見えましたが
それが 道明寺のタイプの桜餅ですよ
なるほど
では その道明寺というのが王道なのですか?
どうなのであろうなぁ
全国的にみると 道明寺タイプのほうが多いらしいですよ
作り方はどちらも知っていますから
ニパターン作りましょうか
よろしくお願いします
そうなのか
我が輩 この土地から出ることがないからのぅ
ですが 二種類あることは知っているんですね
まぁ 知識だけはな
正直 我が輩は桜餅の味も知らぬ
作り方は何度も見たことがあるから知っておるのだが
ムラサメ様も どうにか食べる方法があるといいんですが
気にするでない
食べられぬのも 別に今に始まったわけではない
それに これは我が輩が選んだことだ
お主らが気に病む必要はない
ムラサメちゃんは 本当に食べることも飲むこともできないのですか?
何も?
基本的にはな
じゃがまぁ 神力ならば 我が輩も多少は影響を受ける
故に 清められたものであれば 多少は
具体的には?
そうじゃなぁ
御神酒とか
一番身近のところだと 温泉だ
穗織の汤には穢れを落とす神の力が宿っておる
とはいえ はっきりと感じるわけではないがな
ほんのり 体が温かくなって 気持ちいいのだ
では お花見をしながら温泉に入りましょう
流石にそれは無理じゃなぁ
ちょうどよく桜の元に 温泉が湧いておる場所はない
それに お花見をしながら温泉に入るということは
外で裸になるということです
それは恥ずかしいですよ
それは 確かにそうですね
我が輩は他のものたちから見えぬからよいが
お主らは そうではあるまい
でも みんなでお風呂に浸かりながら花見というのも風流ですね
ちょっと憧れます
裸を見られるのは困りますが
大変に惜しいですね
そうですね
せっかくですから せめて今から入りませんか?
温泉にか?
はい
まだお昼ですが
でも そうですね
お昼から温泉というのも たまにはいいかもしれませんね
それでは お風呂の準備をしてきますね
気持ちいい
本当に気持ちいいでありますねぇ
うむ 我が輩も気持ちが安らぐ
極楽 極楽
ごむらく ごむらく
ごくらくじゃよ
家に温泉が引いてあるというのはいいですねぇ
いつでもこんなに気持ちいいお風呂に入れるんですから
本当に大きなお風呂でありますね
こんなに大きなお風呂があるなんて
やっぱり日本は素敵です
流石にこんなに大きなお風呂は 普通お家にはないがなぁ
そうなのですか?
私は巫女ですから
いつでも穢れを落とせるように 家に温泉が引いてあるんです
といっても 昔はここまで大きなものではなかったと聞いています
それをお風呂好きな先祖が こんなに大きく広げたんだそうです
こんなに大きなお風呂ですと やっぱり掃除が大変ではありませんか?
そうでもありませんよ
汚れを落とすのは楽しいですから
それに 綺麗に掃除したお風呂に入ると気持ちいいですから
そういう楽しみもあります
いつも迷惑を掛けてごめんなさい
いいえ 本当に気にしないでください
私も好きでやっていることですから
その気持ちは分かります
私も旅館のお仕事で疲れた体を癒すために 温泉に入るのですが
気持ちいいのであります
しかし 大きいといえば
な…何でありましょうか?
浮いておる
本当に浮くものなんじゃのぅ
私も ここまで大きいのは 初めて見ました
そうですね 私も初めてです
凄い それに肌も綺麗です
私たちは 生傷が絶えないからね
何を言われるんですか!
芳乃様の肌も凄く綺麗ですよ
ほら スベスベ
いや ちょと茉子… そこは触っちゃ…
芳乃様可愛い
我が輩は 体も成長せぬからのぅ
いや 惜しい 実に惜しい!
我が輩も成長することさえでされば
もっと魅力的なぷるんぷるんの体になれたのじゃが
惜しいのぅ
しかし これも神から与えられた大事な仕事じゃからなぁ
ムラサメちゃんは長生きなのですよね
そうじゃな
桜の木と同じように もう数百年はこの土地で過ごしておるな
この町の移り変りも全部見てきたのですよね
昔は どんな風だったのですか?
そうじゃなぁ
今も不便ではあるが 今よりももっと不便だったぞ
何せ 車もなかったからなぁ
一応 湯治場として有名ではあったが
山の奥じゃからなぁ
客はもっと少なくてな
農場などにも力を入れておったよ
温泉の熱を利用することで
他の土地とはいえ違ったものも育てることもできたしな
そうなんですか
それは私たちも初めて聞きましたね
どんな怪我でも病気でも治る 奇跡の湯が湧く湯治場として有名になって
温泉で栄えていたからなぁ
懐かしいのぅ
奇跡の湯ですか
だからこんなに気持ちよくて 疲れも取れるのですね
そして 肌もスベスベになるんですね
ひゃ ちょっ…ちょっと茉子 擽ったいでしょう
すみません
芳乃様の肌はとても気持ちいいので…
それほどですか
では 私も試しに
ちょっ…ちょっと二人とも やめてください
擽ったいですから
確かにスベスベですねぇ
いい加減に
いいや
やっぱり レナの肌のほうがスベスベですね
どれどれ
ふふ二人掛かりとは卑怯なり
確かにこれは凄い気持ちいいですね
私も負けません
そういうところは いつの時代も変わらぬあ
昔も女が揃えばワイワイと騒いでおったものだ
申し訳ありません 騒がしくて
気にするでない
おかげで昔を思い出した
よく覚えているのですね
ま ずっと見てきたからなぁ
我が輩にとってこの町の住民は 子供のようなものじゃよ
私たちもですか?
勿論じゃよ
私も でありますか?
そうじゃなぁ
そう言ってもらえると
町の一員として認めてもらえたみたいで嬉しいですね えへへ
こうして一緒にお風呂に入っておるのだ
お主はとっくに町の一員じゃよ
ありがとうございます
また一緒にお風呂に入ってください ムラサメちゃん
うむ その程度のことであれば いつでも付き合うぞ
その時には お花を飾ってみましょうか
お花見とまではいえませんが
気分ぐらいは味わえて乙なものかもしれませんねぇ
いいかもしれないわねぇ それ
風呂で花見か…
流石の我が輩も それは経験がないのぅ
では また一緒に入りましょう
約束ですよ
うむ 約束だ
さて 我が輩はともかく
お主らはそろそろ上がったほうがよいのではないか?
湯疲れしてしまうぞ
そうさせていただきます
また一緒にお風呂に入る時は楽しみですね
そうじゃな
本当に楽しみだ