終焉の都市
月追いの都市 Acoustic Story Live ~Studio Recording~
歌手:霜月はるか
专辑:《月追いの都市 Acoustic Story Live ~Studio Recording~》

その都市の名は、エクリス。
かつて犯した罪により、永遠に閉ざされた世界。死に往く者が留まる、終焉の都市。
暗い世界に縫い付けられた無数の影。温度のない息づかい。
それは、この『死の都市』に迷い込んだ、たくさんの意識のかけら。
肉体を失った彼らは、私が見守るこの地で、穏やかに消滅を待っていました。
語り:中惠光城
その中に佇むひとりの影。
彼は次の『私』となるべく、強くエクリスの意思を血に宿して生まれた少年でした。
エクリスは破壊と解放の力。
その力が無意識のうちに働いて、大切なものを壊してしまわないように。
彼は意識の半分をこの都市に封じられていたのです。
現実での彼は、自分が存在しているという実感が薄く、心は常に遠くにありました。
ぼんやりとした世界は、どんなことにも興味を持ちづらいものです。
言われるままに息をしているだけの自分を、誰よりも詰まらない人間だと思うことはありましたが、
それもまた彼にとってはどうでも良いことでした。
いずれ『エクリス』を継承すれば、彼の意思は消滅するのだと教えられてきたからです。
ですから、彼は『エクリス』を何よりも怖れ、激しく嫌悪し、
『私』の存在をも否定していました。
幻想と現実の狭間にある、忌まわしい『エクリス』。
大きな月が照らす死の都市で、運命からの解放を望んだ、彼の名はーー
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