退屈な人生
オリジナル朗読CD The Time Walkers 7 高杉晋作
歌手:野島健児
专辑:《オリジナル朗読CD The Time Walkers 7 高杉晋作》

人間は先が見えないことに不安を感じ、常に安心を求めて生きるという
だが、どういうわけか俺は昔から違った
どんな安定を手に入れようと、その日常に慣れてしまうと
いつの間にかその生活のすべてを破壊したくなってしまうのだ
自分で言うのもおこがましいが、頭の回転が速く物事の先が見えすぎて
飽きっぽい性分に育ったためか
それとも反抗心が旺盛で、何かのルールに縛られることを嫌っていたからか
父親が銀行員で、母親がメーカーのでという裕福な手に育ち
幼い頃からエリート教育を受けさせられた俺は
学業優秀、運動神経を抜群と
親の望み通りの子供として育った
「自分たちの敷いたレールに乗っていれば、お前は幸せになれる」
両親は本気でそう信じでいた
そんな考えに、あのまま順応できていれば
もしかすると俺は平凡な社会生活を送っていたかも知らない
しかし、中学に進んだころから
俺はただ決められた物事をこなしていく生活に強烈に退屈さを感じるようになっていた
そして高校を卒業するとすぐに自分と同じ道を歩ませようとする両親に反発し
かんどう 同然に家を出た
「何にも縛られることなく、とにかく面白おかしく人生を生きてあろう」
家を飛び出した俺はそう決心していた
将来のリスクを計算しそれを避けるために保険を掛ける
それが人生だと考えている両親への反発もあった
その後は友人の下に転がり込んでベンチャー企業を立ち上げたり
わざと海外の危険地帯で放浪生活を行ったりなど
只管刺激を求める生活を送り続けた
更に日常生活でも刺激となるものなら
犯罪にならない限りどんな物であろうと手を出した
そんな破滅的とも思える俺の生き方を見て
苦労知らずで自分に酔っているだけだというやつもいたが
他人の誹りは全く気にならなかった
俺はただ生きることが退屈という思い捨てきれず
常に刺激がないと生きていると時間できなかったのだ
だが結局、何をしてもその憂鬱が晴れることはなかった
仕事は成功が見えて時点で冒険はゴールが近づいた途端に
どれもそれまで気づいたものをあっさり捨て去ってしまった
どんなに情熱を持って取り組んで見ても
どれも先が見えた時点で
虚しさを感じるようになってしまうのだ
「本当に退屈だよ 人生とも」
いつしかそれが俺の口癖になっていた
そんな時だ
俺はあの奇妙な老人に遭遇したのは
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