歌手:
羽多野渉
专辑:
《Photograph Journey~in Hokkaido~》たった一つしかない、俺の大切な場所は。
もうずっと前から決まってたんだよ。
元気にしてるか?一人で泣いたりしてないか?
ご飯もしっかり食べてるか?
あと、って、いきなりこんなことを言われても答えられないよなぁ。
悪い、小さい頃からの癖だったからさ。
お前を心配するのも。
なんだよ。そんなに笑わなくてもいいだろう。
癖ってなかなか抜けないもんなんだよ。
お前が北海道にいた頃は、ずっと一緒に過ごしてたから。
なおさら染み付いてる。
まあ、俺が心配するのなんて、お前だけだけど。
ん?何でもない。気にするな。
どうしたんだ?急に黙り込んだりして。
もしかして、小さい頃に引っ越したから、
俺のことを覚えてないとかじゃないよなぁ?
覚えてる?よかった。
まったく、お前はあんまり俺を驚かせるなよ。
でも、お前と一緒に過ごしてたのはもうずいぶん前だもんなぁ。
せっかくだから、改めて自己紹介でもしようか。
ははは、子供扱いしてるんじゃないよ。
「親しき中にも礼儀あり」っていうだろう。
あ?じゃ、気を取り直して、俺は檜森 蛍(ひもり けい)。
お前より一つ年上で、高校三年だ。
お前が引っ越したのが小三の時だったなぁ。
物心ついた時から、お前が引っ越すまで、
俺たちずっと一緒にいたよなぁ。
一緒にいなかった日がないってくらいだ。
あれから、もうこんなに時間が過ぎたかと思うと、驚きだよ。
俺は今でも北海道のお前と過ごしたあの場所に住んでいる。
今でも忘れられない思い出ばかりだ。
離れていても、俺はお前のことを一度も忘れたことなんてなかったよ。
ん?いや、お前はそそっかしいところがあったから、
そばにいる俺は気苦労が絶えなかったなぁって思ってさ。
ごめんごめん。そう膨れるなよ。
そそっかしいところも含めて、
お前は本当に可愛かった。
俺のことを忘れずにちゃんと覚えていてくれて、
ありがとうなぁ。うれしいよ。
じゃ、今度は北海道のことを覚えてるか。
そうだよなぁ。小学生の頃だと、
自分が住んでいる場所のことはあまり知らなかったりするよなぁ。
大人になるにつれて、地元のよさが分かって、
愛着がついてくるものだからなぁ。
じゃ、簡単に北海道について教えるなぁ。
北海道は日本列島を構成する主要四島の一つで、
北部に位置する大きな島だ。
47都道府県の中では、一番面積が大きい。
だから、同じ道内でも、場所によっては移動時間が結構かかったりする。
気候はお前も経験したから覚えてると思うけど。
道内全域が豪雪地帯。
とにかく冬は寒いんだよなぁ。
そうそう、当たり前だと思ってたんだけど、
玄関が二重扉になってたり、
窓ガラスが二重になってたりするのは
寒い地域特有の家の作りなんだってなぁ。
結構最近まで知らなかったよ。
だから、豪雪地帯でも家の中は温かいんだ。
お前とストーブの取り合いとかしてたっけ。
北海道の有名スポットと言えば、
時計台を思い浮かべる人が多いじゃないか。
あとは世界自然遺産として登録されている知床(しれとこ)とかも有名だなぁ。
食べ物だと、ジンギスカンや味噌ラーメン、夕張(ゆうばり)メロンとかかなぁ。
ちなみに、俺が好きなものは…
ん?おー、正解!よく覚えてたなぁ。
俺が好きな食べ物は、スープカレー。
野菜がたくさん入ってるのが好きなんだ。
寒い日に食べるスープカレーは格別だよなぁ。
観光スポットも食べ物も紹介しきれない。
でも、たくさんの人に北海道のいいところを知ってもらいたいなぁ。
ん?お前もそう思う?
うれしいよ。そう言ってくれて。
な、北海道が懐かしくなってきたんじゃないか。
たまには戻って来い。
生まれ故郷はやっぱりいいものだ。
まあ、それよりなにより俺がお前に会いたいんだけどなぁ。
小さい頃のお前もすごく可愛かったけど、
今はあの頃よりもずっときれいになってるんだろうなぁ。
待ってる。
お前が帰ってきてくれるのをあの場所で待ってるよ。