歌手:
小西克幸
专辑:
《続・ふしぎ工房症候群 EPISODE 2「もう誰も愛せない」》しかし、それが間違いだったことに気付くのに、
それほど時間はかからなかった。
お互いにあまりにも冷静さをかえていた。
あまりにも夢を語りすぎて、
現実から遠ざかっていったのである。
歯車はすぐにも狂い始めた。
そして、突然止まった。
またしても破局が訪れようとしていた。
ある日、僕がふと現実と価値観の問題を口に出した時、
恐らくだが、彼女は一瞬にして、
夢から覚めてしまったのかもしれない。
わたしが子供だからいけないのね、と彼女は言った。
ぼくはあえてそれを否定しなかった。
なぜなら、このままずっと夢を見続けられるはずがない、
というぼくの現実的な考え方が警告を発していたからだった。
そして、今度ゆっくり話し合う必要があるといったぼくの言葉が、
急速に彼女を遠ざけてしまった。
それまで、会えない日でも、
毎日交わしていたメールの内容はおざなりになり、
会って話がしたいというぼくのメールに、彼女は時間がほしいと答えてきた。
話し合う前に時間がほしいというのはどういう意味だ。
話し合ってからの方が、
時間が必要になるんじゃないのか。
一方的と感じた彼女のメールに、ぼくは、
それはお互いに時間が必要になったということなのかな、と返した。
ぼくの精一杯の抵抗だった。
このままでは、話し合う前にぼくたちは駄目になる。
そういう意味を込めたぼくなりの警告を発したつもりだった。
しかし、それ以来、彼女のメールはぷっつりと止んだ。