Ad ~Serina~ 世界は初め 灰色で 陽の当たらない 場所佇んでた 長い夜 遠い朝 待ち侘びながら かじかむ指で なぞる空の弦 灌いだ まどろみの奥で 私を呼ぶ あなたはだれ? 誰そ彼に手を振った 待宵の夢 ほどけた瞼 霞み見た光 眩しさ 指の隙間から くすぐる 冷めていた頬を 廻りだした 胸の音ことこと 巡りだした 生まれた意味を 暁 別つ月の水面に 白縫いの灯が ゆらゆら揺れた 重ならない 円かな仕組みの中で 繫がるの 真向いの熱が 今 終わりは ずっと深遠に 茨の綿 創を塞いでた 棘の叢 束の蔦 否定したのは 騎士めく腕と 伝ぅ紅の閃 沈む 印抱いた血の 抗ぅべくもない 深海に 煌めいた 一二三泡の間を 射し込んだ 泣きそぅな熱量 漣 深い薔薇底の果て 紅の手が 私を牽いた 重すぎた 水圧世界の外へ 繫がるの 真向いの熱と 今 重ならない 交り合えない環の中で 逢いましょう また木漏れ日の下きっと 暁 別つ月の水面に 白縫いの灯が ゆらゆら揺れた 重ならない 円かな仕組みの中で 繫がるの 真向いの熱が 今