九想図 村雲は月を覆い隠し 吹く風には紫色の花が散る 幾千の孤独に揺られて 滲む紅は花の様な色に変わる 誰ぞ彼、君の名も 忘れてしまうのだろう 苟且の時を越え 君は遷ろう夢 私はうつつの泪 現世の物語 いつしかすべて燃え尽きる 慈しむことも忘れて 遠いそらの星になり 君が生きた証をきっと 何処かに見つけ出せるだろう 未来への物語