雪時計は二人を刻み 最後の冬は少し ざわつく感じがした カレンダ一二枚めくれば 別々の道 夢が醒める時のあの どこか切ない気分続き 心遠ざかりそう ふと顔を上げれば 窓の外はもう雪解け 二人でひとつだと 言葉に偽り嘘はなく 儚い永遠を 口に出さず望んだ 時計の針は無情 あっけなく訪れた卒業式も 私たちらしくていいんじゃない と 嘯いた   やがて時は巡り 思い出に変わる頃 突然届いた手紙 呼び起こされて 大人になってゆくたびに あの日あの頃が いかに 大切かに気付く そして今年もまた冬を刻み  舞う雪時計 駆られた衝動に任ぜて真夜中の雪道 患を切らせ走り 君の部屋の戸を叩く 寝ぼけ眼のまま 驚く君の手を引き寄せ 離れ離れの時間貪るよう 抱きしめた 変わらない笑顔で 優しく微笑む君がいて 変わらない気持ちで 子供のまま私がいた ドアを閉める指が わけもわからずに愛しくて 見惚れて再会を誓う事も忘れてた  次に出会えたなら 今度はどんな話をしよう 何も知らないままひとり思う 嬉しそうに