100年前の僕、100年後の君 100年後にずっと 100年後にずっと 僕が存在しなくて さみしい かつて鬼ごっこをして 駆けまわった公園で 蟻が時間の死骸を 巣穴へ引きずっていく 錆だらけのブランコは すでに撤去されたのに 君は変わらぬ姿で そこにいました 二度と通うことのない 狭くなった教室で 知らない先生と生徒の 授業が続いている 古い机に刻んだ傷や 落書きのように 君は変わらぬ姿で そこにいました テキトーな励ましの言葉に 救われた日もあった 無駄なものは無駄だと 真理に頷く日もあった そして漠然とした 不安が泡立つたびに 君がいる場所 確かめてしまう 100年後にずっと 僕が存在しなくて さみしい 100年後にずっと お腹が空かなくて さみしい 100年後にずっと 約束出来なくて さみしい 100年後にずっと 君がそこにいるから さみしい 押入れの奥深くに 引きこもったおもちゃ箱 幼稚に輝いていた 物語が眠ってる 暗闇に絡みついた 埃と蜘蛛の巣の部屋 君は変わらぬ姿で そこにいました 少女は白馬の王子の 下衆な本性見逃し 少年は高嶺の華の 内面高望み そして数の増えた疑念を 飲み込むたびに 君がいる場所 ぼやけてしまう 100年後にずっと 触れるものが無くて さみしい 100年後にずっと 悪口言えなくて さみしい 100年後にずっと 道に迷えなくて さみしい 100年後にずっと 一緒にいないことが さみしい さみしい 最新の携帯電話も あっという間に古くなり 高級料理も ファストフードも 時間が経てば腐り 消えたり生まれたり 愉快なサイクルの毎日を 今日も過ごしている 100年前の僕が 100年前の僕が まだここにいる 100年後にずっと 強がり言えなくて さみしい 100年後にずっと 弱音も吐けなくて さみしい 100年後にずっと 感動できなくて さみしい 100年後にずっと 退屈できなくて さみしい 100年後にずっと 僕が存在しなくて さみしい 100年後にずっと お腹が空かなくて さみしい 100年後にずっと 約束出来なくて さみしい 100年後にずっと 君がそこにいるから さみしい